カウンセリングから見えてくる風景

春は出会いと別れの季節

 

4月も後半となり、新緑がまぶしい季節になってまいりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

先日、カウンセリングを受けに来ていた高校生との会話の中で、
非常に興味深い彼の話が印象に残りました。

今は半年に1度ぐらい
「先生、今週行っていい?」
と、メールをくれて顔を見せてくれます。

小学2年生からの彼を知っていて、会うたびに大きくなったことを実感します。

いつも他愛のない日常の会話を交わしながら、ぽつんぽつんと少しずつ自分の気持ちを
つぶやいてくれます。

そんな彼と、かつての思い出話をしていた時。

「先生がいつか1番落ち着く時間は何をしている時?って聞いたこと覚えてる?」
と、聞かれて
「覚えてるよ。答えは聞けなかったと記憶しているけど‥。」
と答えると、
「あの答え、実は夕方お母さんが仕事から帰ってきて、キッチンから洗い物の音が聞こえてくる時やった」

「そうなの?」

彼のおうちはお父さんが単身赴任。
お父さんの両親と同居。

お母さんは、朝から仕事でいつも17時前に帰宅して、同居している両親のお昼ごはんの洗い物からが
帰宅後の仕事だったと教えてくれました。

忙しそうで、自分の話をするタイミングがいつもつかめなかったけれど、唯一リビングで宿題をしていると、
お母さんと一緒にいると実感できるその時間がホッとしたと、初めて教えてくれました。

なぜ今、そんな話しをしてくれたのだろう。

コロナの影響で、オンラインの授業が中心になっていて、
「パソコンの中では先生や友達と話をしてはいるけれど、なんとなく静かな家の中が息苦しい‥。」
そんな感じを受けると話してくれた。

そして、その気持ちがお母さんの帰りを待っていたあの時間と似ていると・・。

話をする相手は、それぞれに環境も違い、受け止め方も違い、感じ方も異なっています。
それぞれと話すたびにひとりひとりに寄り添って、話す時間を持ちたいと思っています。

※今回、同じような思いで過ごしている人がいるかも知れないと、ブログにアップすることを
快諾してくれました♪

春は出会いと別れの季節。
ぽつりとつぶやきたくなったら、ぜひお越しください。